【アートな建造物を訪ねて|ブーローニュ・ビヤンクール】


パリからメトロの9号線もしくは10号線で西へ向かうことわずか、セーヌ川がパリのエスカルゴを出て大きく蛇行を始めるあたりに、ブーローニュ・ビヤンクールの町はあります。

イル・ド・フランス地域圏ではパリに次いで2番目に人口の多いこの町は、偉大なる建築家ル・コルビュジェの作品がひっそりとかくまわれていることで知られています。

1920年代に作られた「クック邸」「リプシッツ=ミスチャニノフ邸」、「テルジニアン邸」がそれにあたります。現在は建物内部の見学は許されていないようですが、その外観を鑑賞しに学生や建築ファンらが訪れる、ひとつの名所です。


 
リプシッツ=ミスチャニノフ邸


クック邸

そして、20174月、この町にもうひとつの巨大なアートスポットが今やオープンしようとしています。その名も「ラ・セーヌ・ミュージカルLa Seine Musicale。セーヌ川のSeineと、フランス語で「舞台」をさすセーヌScèneをかけたネーミングとなっています。

セーヌ川の中州、セガン島l’île Seguinに現れたこの巨大帆船を思わせる建造物は、日本人建築家坂茂とフランス人ジャン・ド・ガティンヌの作。「パリの新しい西の玄関口」にふさわしい施設をと、官民一体となって生み出された文化的巨大複合施設です。




施設内には、40006000人収容の大劇場、主にクラシックやアコースティックサウンドに適した1000人規模の小ホール、そのほか大小複数の会議場、サッカーグランドと同程度の広さの庭園などがあり、市民に開かれた施設となっています。驚くべきことに、約800㎡にも及ぶソーラーパネルが、小ホールを内包した球体を包むように設置され、太陽の動きを追ってゆっくりと回るのだとか。なんともエコフレンドリーな仕組みなのです。

22日に行われる完成記念コンサートはすでに完売。かのノーベル賞作家(!)のボブ・ディランもそのステージを飾るのだとか。楽しみですね!!

Photos: Office de Tourisme de Boulogne Billancourt

 








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