
アラブ世界研究所(Institut du monde arabe)パリ5区
ジャン・ヌーヴェルは、フランスの南西部ロット=エ=ガロンヌ県で生まれました。彼が特に注目を浴びるようになったのはアラブ世界研究所の設計です。この建物はアラブ世界の情報や文化を発信、研究する目的で1987年に作られました。彼が「ガラスの魔術師」「光の魔術師」と呼ばれることがよく分かる斬新で美しい作品です。
格子模様のガラス窓は、ほんのり異国情緒漂い、どことなくモスクの幾何学模様にも似ています。フランスにありながらもイスラム文化を敬う建築家の姿勢を感じるような。。。

この窓を更にアップにするとこんな感じ。この窓は、ガラスに加えて240枚のアルミパネルを用いて、カメラのレンズの絞りのように開閉して採光を自動調節しています。この光の取り込みは、イスラムの「マシュラビーヤ」という窓飾りのアイデアを得て、ジャン・ヌーヴェルが得意のガラス建築に活かしたもの、まさにイスラムと西洋文化の融合ですね!

カルティエ現代美術財団、パリ14区 公式HPより写真抜粋(https://www.fondationcartier.com/batiment)
こちらのカルティエ現代美術財団も全面ガラス張り、内部のエレベーター3基もガラス張りという徹底ぶり。ただ、無機質な印象はなく建物を囲むように配置された庭の緑との調和が見事です。1日の中で刻々と変化する空と隣りあわせの庭の緑が光の反射でキラキラとガラスに映し出されます。
外光をふんだんに取り入れた展示室では、様々なインスタレーション作品が展示されています。(現在、ブラジル人写真家Claudia Andujarの作品展が5月10日まで開催中)

リヨン・オペラハウス(Opéra National de Lyon)
ジャンヌーヴェルは、時に修復や改修にも携わっています。リヨンにあるオペラハウス、かつての構造を残しながらも、屋上にガラスのドーム(写真正面 奥)を配しました。クラッシックな建物に現代的な息吹を吹き込み、地元でも愛される歌劇場に生まれ変わっています!ちなみに彼が改修を手掛けたことで、オペラ・ヌーヴェル(新しいオペラ)とも呼ばれています。
オペラハウスはパリのオペラ座だけではありません。リヨン近郊にいらっしゃる方は是非チェックしてみて下さいね。(リヨン・オペラハウス公式HP 仏語・英語)

最後にご紹介するのはフランスのお隣、スペイン、バルセロナのトーレ・アグバール塔です。水道会社のこの建物はバルセロナ近郊の奇岩の山モンセラートの形状から着想を得たもの。ビルのファサードは青や赤色に反射するガラス素材で覆われ、夜に浮かび上がる姿はなんとも不思議、彼のガラス世界に引き込まれてしまいます。

2点共にバルセロナのトーレ・アグバール塔(Torre Agbar)
日本では、東京汐留にあるガラス張りの電通本社ビルもジャン・ヌーヴェルの作品です。パリには他にもラ・ヴィレット公園内のシンフォニーホールやケ・ブランリー美術館(2019/10/11付ブログ)など彼の作品が多数あります。ご興味のある方は是非以下のリストをご覧になって、彼のモダン建築を探す旅にお出かけになって下さいね!「新しい何か」を自分に取り込む勇気が沸くかもしれません。
☆Atelier Jean Nouvel(アトリエ ジャン・ヌーヴェル)公式HP プロジェクトリスト⇒http://www.jeannouvel.com/projets/?list=1 (仏語・英語)
☆リヨンを含むフランス各地を巡るツアー
エミレーツ航空で行くフランス|自由に楽しむ!ニース・リヨン・ブルゴーニュを満喫するツアー 6泊7日
フランスハネムーン(新婚旅行) ☆印象派の画家たちを魅了したノルマンディー☆ 7日間の旅
ラグジュアリーリバークルーズ|ブルゴーニュとプロヴァンス
☆フランスを含む2か国を巡るツア(+スペインなど)ー⇒https://www.france-ex.com/tour/category/2128.html