フレンチトーストとフランスは関係ない?


日本では朝食やデザートとしてよく食べられている「フレンチトースト」。多くのファミリーレストランでも見かけます。その料理法が簡単ながらも、多くのアレンジができ美味しいと人気の料理です。

 

「フレンチトースト」という名から、もちろんフランスと関係があるのだろうと思う方が多いと思います。今回は「フレンチトースト」の歴史について話したいと思います。

 

「フレンチトースト」の起源は、古代ローマ帝国まで遡ります。この時代の料理書アピキウスの中で、パンを牛乳に浸した料理について「Aliter Dulcia(アリテル・ドゥルキア)」つまり「もう一つの甘い料理」と言及されているそうです。

 

また「フレンチトースト」という名は1724年アメリカ合衆国のニューヨーク州の酒屋の店主ジョーゼフ・フレンチが命名したとされていますが、その他にもいくつかの説があります。例えば、第一次世界大戦のアメリカ軍ではほぼ同様の製法によるものが「ミルクトースト」と呼ばれていた、またもともとアメリカで「ジャーマントースト」と呼ばれていた同メニューだが、第一次世界大戦でアメリカとドイツが敵対したために「ジャーマン」を「フレンチ」に変えたというものもあり、真偽は不明です。

 

そしてフランスでは「フレンチトースト」ではなく「Pain perdu(パン・ぺルデュ)」=「失われたパン」と呼ばれています(一部地方では違う名称で呼ばれます)。これは硬くなったパンをミルクや卵に漬けて生き返らせるとされ、それは貧困などの経済的、またはキリスト教においてパンを捨てるという行為が許されないという宗教的な理由から作られたと言われています。

 

さらにカナダでは「Pain doré(パン・ドレ)」=「黄金のパン」と呼ばれ、ヨーロッパでは各国様々な呼び方をします。

 

「フレンチトースト」は古代ローマに起源し、今や世界中に普及し、各国各々で発展した料理です。こうして世紀を渡ってきた料理が今でも日常的に食べられているとは感慨深いです。

 

ヨーロッパ旅行をお考えの方はぜひヨーロッパ各地のフレンチトーストを味わってみてください。









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