アヴィニョンの北部に位置するオランジュという街にも重要なローマ時代の遺跡が残されています。ここには世界中に現存する中で最も保存状態が良い古代劇場があります。およそ9000人を収容できるこの劇場は、ローマ帝国初代皇帝のアウグストゥスによって建設されました。現地に行けばアウグストゥスってどんな人だっけと記憶をたどる必要はありません。今日も彼の彫刻像が劇場の舞台上部に堂々と掲げられているからです。ありがたく拝んできましょう。外から見ればなにやら石を積み上げただけのように見えてしまうこの劇場も中に入れば、その壮大な光景に言葉を失うことでしょう。2000年ほど前にここで多くの人々が観劇に熱狂していたなどとは、話も壮大すぎて想像すらできません。世界遺産としてフランス国内でも知られたものですが、世界遺産として登録されて当然という威厳さえ漂います。
この古代劇場では毎年音楽祭が行われており、毎年多くの人々がここで美しい音色に酔いしれています。2000年経っても劇場として使用可能なその建築技術には目を見張るばかりです。このオランジュにある遺跡としては他に凱旋門が挙げられます。ガリアの戦いが描かれたこの凱旋門も古代劇場にあわせて必見です。
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