画家たちが愛したフランスの風景

エコール・ド・パリと呼ばれる画壇で一躍有名となった日本人画家レオナール・フジタ　パリを中心にランス、終の棲家となったメゾン・アトリエ・フジタなどゆかりの地を訪ねます。

ロートレックの生まれ故郷アルビ。そして画家として活躍したパリへ。美しい景色をお楽しみください。

マントン、アンティーブ、カーニュ・シュール・メール数々の美しい村とまばゆいばかりの太陽の光に惹かれて多くの画家たちが愛した場所がコート・ダジュールです。

ゴッホはオランダ生まれの画家ですが、主要な作品の多くは、フランスに移り住んでから描かれました。跳ね橋を描いた、南仏のアルル。「星月夜」を制作したサン・レミ・ド・プロヴァンス。終焉の地、オーベル・シュル・オワーズ。生前はたった1枚の絵しか売れなかったゴッホですが、南仏の輝く陽光の中で描いた情熱的な絵画が時間をかけて人々から愛されています。ゴッホの個性的な筆致や大胆な色使いの謎を解く鍵はフランスの風景にあります。

印象派を代表する画家として人気のあるモネは、古いしきたりを捨てて、アトリエの外で描くことを好みました。アルジャントゥイユの橋、ノルマンディー地方のルーアン大聖堂やエトルタの荒れた海、晩年を過ごしたジヴェルニーの睡蓮など、彼は同じ主題を繰り返し描きました。同じ風景であっても、季節や太陽の位置によって変わる光の効果にこだわり、連作を描いています。彼の足跡を辿ることでモネの風景画と同じ光や自然の生命力を今も体感できます。

モネはジヴェルニーに美しい庭園とアトリエを構え、花々や池の睡蓮を描くことに晩年の全てを捧げます。そこには、モネがずっとこだわり続けた水と光、色彩とのハーモニーがありました。モネは日本の浮世絵に倣い、日本風の太鼓橋を作らせ、季節の移り変わりとともに咲き乱れる花や睡蓮を1日の異なる時間に何度も描いています。素晴らしい芸術家でもあり、庭師でもあったモネ！ジヴェルニーにはモネの小宇宙が静かに広がっています。

ルノワールは、人生の後半を二つの田舎町、南仏のカーニュ・シュル・メールと南シャンパーニュ地方のエソワの村で過ごしました。特にエソワの村は妻の故郷であり、画家は亡くなる直前まで家族と夏をこの村で過ごしています。家族の肖像、風景の中の楽園、生命力溢れる裸婦がルノワールの追求したテーマでした。ありふれた日常に溶け込む美しさを描いた「幸福の画家 ルノワール」は「芸術は喜びにあふれていなければならない」と語っています。