築城の名手 ヴォーバンが築いたシタデル ーブザンソンー


 12月にフランシュコンテ地方の見どころをいくつかご紹介していますが、今日は、この地方の中心、ブザンソンをご案内します!ブザンソンは「レ・ミゼラブル」の作者ヴィクトル・ユーゴーや映画を発明したリュミエール兄弟が生まれた場所としても有名ですが、なんといってもシタデル(城塞)の街として人々を引き付けています。


ブザンソンのシタデル(城塞)

ブザンソンのシタデル、別名は「ヴォーバンの防衛施設群」です。ヴォーバンとは、ルイ14世お抱えの要塞建設の名手で、彼が手掛けた数多くの作品のうちブザンソンを含む12の要塞が2008年にまとめて世界遺産に登録されています。

日本では「築城の名手」よりも秀吉などの「城主」の名前が歴史に残りますが、庭園師や築城の技術者も注文主と同じくらい珍重されるフランス…とても職人を大切にしていて素敵です。さて、このブザンソンのシタデルですが、ヴォーバンの最高傑作とされています!


シタデルのエントランス

100メートル以上ある丘陵に建てられたシタデルの巡視路から見下ろすと、2000年の歴史を伝える旧市街と蛇行するドゥー川それらを囲む壮大なパノラマ景色が広がっています。写真右下に見える建物はサン・ジャン大聖堂。鐘楼は、フランシュコンテで伝統的な四面の鐘楼でこの聖堂の内部のステンドグラスも素晴らしいです。

そして、この聖堂の塔の中に納められている、150年前に作られた3万の部品からなる天文時計(Horloge Astronomique)は必見です!ブザンソンは伝統ある時計製造の街でもあるのです。



そして、この広大なシタデルの中には、「フランス認定美術館」が3つも入っています!「フランシュコンテ美術館」、第二次大戦の記憶を収めた「レジスタンス・強制収容所博物館」そして、「自然動物園ミュージアム」です。シタデルに動物園?と思うかもしれませんが、動物とのふれあいもあり、希少な夜行性動物を観察できる場所にもなっていて、地元の人もピクニックを楽しんでいます。

自然豊かなフランシュコンテ地方でシタデルからの絶景も堪能できますし、戦争の記憶に思いを馳せることも「軍事施設」から離れて自然動物と楽しむこともできるお勧めスポットです。丸1日このシタデルで散策を楽しみ、文化的好奇心を満たすこともできるので、ミシュランの三つ星マークもついているのですよ!



ヴォーバンの手掛けた要塞は150以上もありますが、ユネスコ文化遺産の12の施設に選ばれる背景には物件の質だけでなく景観美の質も重視されたそうです。ヴォーバンの作った要塞のある街は陥落しない!というエピソードがその時代ありました。彼が守った街には、素晴らしい自然風景と石造りの建物の美が一体になって広がっています。

☆関連ツアー

フランスの最も美しい村を訪ねて|ジュラで黄ワイン(ヴァン・ジョーヌ)とブザンソンの古城めぐり






フランスエクスプレス
フランスエクスプレス

  • フランス
  • ブザンソン
  • ヴォーバンの要塞
  • シタデル
  • サン・ジャン大聖堂
  • フランシュコンテ美術館
  • レジスタンス強制収容所博物館
  • 自然動物ミュージアム