題名は「かもめの城」。1965年に製作された英語の映画ですが、全編がフランスのブルターニュ地方で撮影されています。
手掛けたのはジョン・ギラーミン監督。後に、ハリウッドで数々の大作映画を生み出していった売れっ子監督の一人です。え、そんな監督の作品だったら大味なのでは？――と一瞬考えてしまいそうですが、この作品にいたってはまったくそうではないのです。
孤独に暮らすきわめて純粋な少女が、罪を犯し追われる身となった青年とひょんなことから出会い、恋をし、大人へと成長してゆく―とてもシンプルなお話ですが、繊細でありながら、何かダイレクトに訴えかけてくるものが感じられる作品です。
主人公の少女は、「シベールの日曜日」（1962年）で高い評価を得たパトリシア・ゴッジ。彼女がまた一つ成長した姿で熱演しています。
そして、ブルターニュのコート・ダルモールという地域が主な舞台となっていて、白黒の映画ですが、きらきらと輝く浜辺や広大な草原・空・海の美しさを余すところなく捉えています。まるで純粋で激しく、ひどく繊細な主人公の感情を体現するかのようです。
ちょっと観てみませんか？
そして、映画の中の景色が気になったら、ブルターニュへちょっと行ってみませんか☆
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