さあ、今日からは、ローヌ・アルプ地方を巡ってみましょう。
まずはこの地方の中心都市、そしてフランス第二の都市※、リヨンから。
※人口などの視点から、マルセイユを第二とする見方もあります
古くは紀元前1世紀ころから、ローマ帝国の属州「ガリア」の首府として栄えていたとされるリヨン。当時はルグドゥヌムLugdunumと呼ばれていました。
まずはその遺構を見つけに、フルヴィエールの丘la colline de Fourvièreに上ってみましょう。
ケーブル・カーを降りるとすぐに、美しい白亜の聖堂が出迎えてくれます。これがリヨン市民の信仰の拠りどころともいえる、フルヴィエール・バジリカ聖堂です。
往時コレラやペストといった疫病が流行るたび、リヨン市民を救うべく祈りが捧げられたのが、この聖堂であり、この丘に建つ聖母マリア像でした。
この場所からはリヨンの町並みを一望のもとにすることができます。晴れた日には、はるかモン・ブランの稜線が見えるかもしれません。
聖堂から少し下ると、お目当ての遺構、ローマ劇場Théâtre Romainが見えてきます。
建造年はなんと紀元前15年!修復がなされているとはいえ、歩いて見学できることが驚きです。
この円形劇場の直径は108メートル、一万人を超える観客を収容できたとされます。
ちなみに、日本はといえば弥生時代。稲作を始め、竪穴式住居に住み……などと比較しながら見るのも面白いかもしれませんね。
毎夏このローマ劇場で繰り広げられる、演劇やコンサートの催しは、ひと月にもわたり、いまやリヨンの夏の風物詩となっています。ぜひ夏の一夜をローマ劇場で過ごしてみませんか?
明日は丘を下りて、旧市街Vieux Lyon を訪ねてみましょう。