日本人がお米を食べるように、イタリア人がパスタを食べるように、フランス人はパンを食べます。(ちなみに隣国のイタリアのパンは美味しくなく、フランスのパスタも美味しくありません)調べてみると、フランス人の1日のパンの消費量は153グラム、国民の98%がパンを食べ(食べない人もいるんですね)、買われているパンの74%がバゲット、そして、パン屋さんという職業は消防士に次いで第5位に尊敬される職業とのこと。~Le pain en chiffresより~
フランス人はいつだってパンです。私が友人に炊きこみご飯を作って出した時も
”バゲットは?”と言われたくらい。
通りに何件もパン屋のあるパン王国のパンはやはり美味しいのです。そして、私の思い込みかもしれませんが、パン職人さんは、いつもすごく厳しい表情をしていいて、”本気でパン焼いてる”感がひしひしと伝わってきます。
さてフランスのパンの代表格、バゲット。バゲットの価格は、以前は65~75サンチームだったのが、ユーロになってから若干値上がりし、今では70~85サンチームくらいです。お店によってタイプは様々で、外パリパリの中はフワフワ、もしくはもっちり、しっとりだったり。天然酵母を使った酸味のあるものや、全粒粉を使ったもの。サイズも大きいものもありますし、普通サイズの半分からも売ってくれます。バゲットは1日に数回焼きたてが出るので、夕方、その日の夕食用に焼きたてを買おうと人々が列を作ります。(列のできているパン屋さんにはずれはありません。)日本のように袋には入れず、素で、持ち手のところに紙を当てて渡されます。リュックからバゲットの先が見えている下校途中の子供や、ビジネス鞄とバゲットを持って帰宅するスーツ姿のお父さんなんてのもよく見られる風景。学校帰りにバゲットを半分買って、家に着く前に全部食べてしまい、やっぱり1本買えばよかったな、なんて事もよくありました。
あの焼きたてのバゲットがたてるのパチパチという音と漂う香り、そしてそれをちぎった瞬間にのぼる湯気。全てが幸せの象徴です。
フランス人がバゲットを食べるときは、まずバゲットをだいたい15センチくらいにカットし、それを真ん中で割ります。そしてた~~っぷり3ミリから5ミリくらいの厚さにバターを塗って食べます。私はそのバターの量の多さに衝撃を受けました。映画”DIVA”でも、"これぞフランス人的バゲットの食べ方"なんて解説するシーンがありましたね。(台詞はかなりうろ覚えです)
そういえば以前、私の友人が日本へ大きなバゲットをお土産として持って帰ったけど、おいしく食べられたのかな?固くなって食べられなかっただろうな。でもそんな時は日本で言う”フレンチトースト”を作ればいいのです。
フランスではフレンチトーストの事を”pain perdu/だめになったパン”といいます。つまり、固くなって食べられなくなったパン(パン・オ・レやブリオッシュ、バゲットなど)に卵と牛乳を浸し復活させ、それを焼いて美味しくいただくって訳ですね。
さすが、余すところ無くいただきますよ、美食の国、フランスの人は。
ボナペティ!