パン狂が語るパンのお話 有名店にのりこもう編


ル・ブーランジェ・ドゥ・モンジュに行きました。
その名の通り植物園にほど近いモンジュ通り近辺に2店舗あり、パリの中でも屈指の名店と呼ばれるパン屋です。
元々はドミニク・サブロンさんという方が関わっていて、…ん? その名前、どこかで聞いたことがあるような、という方。
その通り! 六本木に連日行列をつくったお店ドミニク・サブロン(Dominique Saibronのフランス読みは本当はドミニク・セブロンの方が近いですが)は元々はモンジュを経営していた方が日本のマキシム・ド・パリと共同で立ち上げたお店なのです。

ドミニクさんは数年前にモンジュの方は手放して、昨年の夏にパリ14区にDominique Saibronの店名でカフェ併設の店舗をオープンしています。
元々はパティシエ出身の方だったりして、東京の店舗にもパンと一緒にマカロンが置いてあったりするのはそういうわけです。

さてそれではいよいよ、モンジュへ。すると清潔な印象の店内に入ってまず目につくのは緑色のAB(AgricultureBiologique)のマーク。
これはなんぞや、と申しますと、有機農法で作られた材料を使用していますということを表示するマークなのです。
1985年からフランス政府が認証を開始し、このマークの付いている食品は栽培から貯蔵、加工に至るまで化学薬品・科学肥料などが使用されていない有機生産物を95%以上含み、かつEU圏内で生産されたものでなくてはならないとされています。
こういった有機栽培などの認証をしている機関は他にもあるのですが、最近のフランスは本当にビオブームと言っていいほどに、スーパーなどでもそういったマークの付いた商品をたくさん見かけます。

それでは、肝心のパンのお味は。
おいしい。当たり前だけど非常においしい。
なんというか、この店のパンは決して派手ではないんですけど、例えるならば化粧の薄い素肌美人、みたいなパンでしょうか。天然酵母を使っているせいか酸味はわりとしっかりあり、さくさくした感じがこれぞフランスのパン、という印象。いやすばらしい。
ただ、思ったのはこういった有名店のパンももちろんおいしいんですけど、べつに普通の店でも十分においしいというか、 そりゃ毎日食べるものですし、本当にどこで食べても一定水準以上。
わざわざ有名な店まで行かなくとも、街中のふらっと通りかかったお店に並べられたパンの美しさに惹かれて、それを買って食べるのもまた楽しいと思うのです。

ある日、街中のとくに有名でもないパン屋で朝に買って食べた焼きたてのTarte aux Pommes(りんごのタルト) が、いやあ、おいしかったことといったら。新鮮なりんごの酸味が感じられ、焼き加減もさっくり。
日本だと東京でも名店と言われている店まで行かないとない水準の細かい仕事の入ったパンが、朝早くからどこにでも普通に置いてある。それがフランスのなんともすごいところだと思います。

毎日おいしいパンが食べられるというのは幸せですよね。
ただ、きちんと炊かれたおいしいお米は皆無ですけどね…
無いものねだりなのでしょうか。


Le Boulanger de Monge
48, rue de la Clef 75005 Paris 7:00-20:00 木曜定休 01 47 07 28 19
123, rue Monge - 75005 Paris 7:00-20:30 月曜定休 01 43 37 54 20
最寄り駅 メトロ7番線 Censier Daubenton, Les Gobelins
http://www.leboulangerdemonge.com/







フランスエクスプレス
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