ラ・トゥーレット修道院へ行く =後編=
ル・コルビュジエを訪ねる旅


さて前回の続きです。
タイトルからして目的地に着かない訳は無いのですが、結局40分くらい歩いた気がします。
なんとか辿り着いた目的地。

小雨に佇むコンクリートうちっぱなしのラ・トゥーレット修道院は、なんと言うか、とてもさみしい感じがしました。ひっそりと黙ってしまっているみたい。
”ひえ~、コレが修道院?さすが、どう見てもここから修道士さん達が出てくるようには見えない・・・。”
というのが率直な感想です。
中に入ると、薄暗く、ひんやりとしていました。
高い天井や、回廊の窓からの採光がそれはそれは素晴らしく、まるで深海の底にいるようでした。
またあらゆるところ(エントランスや回廊)でもコルビュジエ・モデュロール(勝手に命名です)を体験でき、なんとも不思議な感覚におそわれます。



地下礼拝堂にある、やはりコンクリート製の椅子に座り、心地良い深海の様なその不思議な空間で目を閉じると、瞑想状態に陥り、そして眠気にいざなわれ、しばし動けず・・・。

その後、修道院の周りを撮影すべく中庭をうろうろし、カメラを覗きつつ後ろに下がったところ、ズベッと滑りちょうどコンクリート部分に尾てい骨を強打。
そのうえすりむき出血・・。
ものすごく痛かった・・。痛すぎて歩くのもしんどかったので、友人が他を見学している間ずっと礼拝堂の椅子に座りながら眠っていました。”帰り道、しんどいな~・・・”と思いながら。
コルビュジエの造った修道院で昼寝。
これはこれで経験できない贅沢な時間です。



この文章を読んでも実際の修道院の素晴らしさは残念ながら何一つ伝わらないかと思いますが、是非行ってみて下さい。
やはりコルビュジエの建築物の素晴らしさや魅力は、中に入ってみてわかるのだと実感しました。
調べてみると、どうやらこちでは宿泊可能らしいです。
しかもお昼だけでも食べられるらしいし、ガイドツアーもあるという事です。

そうです、みなさん、まずはきちんと下調べをしてから行きましょう。
何も調べず楽しみにして行き、建造物を見てびっくり、感動!というのも良いですが、細部まで調べてから行くと”なるほど、ここはこういう意図で・・・、こんな情熱をかけて・・。”と理解でき、いっそう感動も深まるはずです。
そして小雨の時は足下に充分気をつけて下さい。
転んじゃうと帰り道がえらいしんどいですよ。

ちなみにマルシェで買い込んだお昼ですが、小雨に降られ、もちろん修道院で食べられる訳もなく、帰りの電車の中でいただきました。

いつの日か、ここに再訪し、今度は是非宿泊してみたいと思います。
この静かな修道院でゆっくり時間を過ごし、コルビュジエの世界を存分に味わいながら眠りに落ち、目を覚ましたらどんな気分になるのでしょう。

■ラ・トゥーレット修道院 -le Couvent de la Tourette-
■住所 BP105 Eveux 69591 L'Arbresle cedex France







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