ツール・ド・フランス 2013 ◆ピレネー最終 第9ステージ◆


ツール・ド・フランス2013 休養日前の山岳ステージの第9ステージ。
第8ステージを制したマイヨ・ジョ―ヌ率いるチームスカイ(イギリスのチーム)は過酷な戦いを強いられました。
「いかにここでチームスカイを潰そうか」と周りからの敵意むき出しの視線の中、マイヨ・ジョーヌの孤独な戦いが印象的なレースとなりました。
緊迫した雰囲気の中、第9ステージは結果的に、白熱した熱戦、超過酷な地獄のレースとなり、多くのスプリンターが苦しめられることとなります。

第8,9レースは2日連続でピレネー山脈を通るコースとなっており、平地での加速を得意とするスプリンターたちには荷が重いコース内容です。
第9ステージではカテゴリー超級の山岳はないものの、全長168.5km(距離的にはそれほど長くはない)のコースの中、カテゴリー1級の山々を4回、カテゴリー2級の山を1回越えなければならない、山を得意とするクライマーたちの活躍が見逃せないコース内容でした。

レース開始直後ガーミン・シャープ(アメリカのチーム)がアタックをしかけます。
猛烈なアタックに対し、ダニエル・マーティン(カタルーニャ一周覇者)やライダー・ヘシェダル(2012年ジロ覇者)をはじめとした数々のスター選手が激しいレースを先導していきます。
加速するレース展開をさらに煽るかのように昨年度のツール3位の実力者アレハンドロ・バルベルデと新人賞ナイロ・クインターナ率いるモヴィスターチーム(スペインのチーム)がアタックを幾度となくしかけ、レース全体のスピードが際限なく加速していきました。

たった20kmを通過した地点で、スプリンターたちは最後尾に追いやられ、あとはひたすらに制限時間内のゴールを目指すだけになってしまいました。※最後尾の集団をグルペットといいます。もともと登りが得意でないスプリンターたちにとっては地獄のレースです。制限時間はTOPにゴールした選手のタイムから算出されるため、レース全体の速度が速ければ速いほど、制限時間も厳しくなるからです。

クライマーたちはクライマーたちで、スプリンターたちはスプリンターたちの熱戦が繰り広げられる中、今まで順調に走り続けていたマイヨジョ―ヌ率いるチームスカイ(イギリスのチーム)にとうとう限界が来ます。
前日のカテゴリー超級を含む第8ステージで、マイヨジョ―ヌ奪還に成功したチームスカイは疲労により失速していくことになります。さらにチームスカイの頼れるアシスト、ピーター・ケノーの落車など不幸な事故が起きました。
前日の疲れが残ってしまったチームスカイでたった一人、脚が残っていたのは第8ステージのマイヨ・ジョ―ヌ「クリストファー・フルーム」。彼はレースが始まってすぐに孤立してしまいますが、マイヨ・ジョ―ヌを守るため、昨日の仲間の走りに応えるため、残り約140km、一人で戦い抜くことを決意します。

他のチームや、このレースを牽引する選手たちはこの状況を今までの上位選手との差を縮めることのできるチャンスだと判断し、レースを加速させていきます。先頭集団にいる選手たちは死ぬ気でペダルを回し続けます。

この先頭集団がこのままの勢いでゴールを勝ち取るのか!!と思いきや、しかし!??
後ろから迫るメイン集団にゴール手前40kmの地点で飲み込まれます。この鬼気迫る勢いでメイン集団を率いたのはモヴィスター・チーム(スペインのチーム)の残りのメンバー。
メイン集団は多くの人数で駆け抜けるため、仲間や敵チームを上手く使って風の抵抗を極力減らし、足の力を存分に残しておくことができるのです。

クインターナ選手は一つになったこの巨大な集団を出し抜こうと4度アタックをしかけ、一人独走の機会をねらったが、マイヨ・ジョ―ヌの「クリス・フル―ム」に潰されることになりました。本来こんな脚を酷使することはマイヨ・ジョ―ヌの仕事ではなく、彼のチームメイトが、マイヨ・ジョ―ヌを守るための仕事です。しかし、彼のアシストたちは昨日のレースの影響で、絶不調。彼がやらなきゃだれがやるのでしょうか?彼しかいません!!
この日何度もアタックを潰す、マイヨ・ジョ―ヌの背中にはチームの魂が宿っていたのかも知れないですね。

激戦のレースの中、見事勝利を勝ち取り区間優勝に輝いたのはダニエル・マーティン選手(ガーミン・シャープ所属)でした!
タイムは4時間43分3秒でした!

気になるマイヨ・ジョ―ヌの行方は!?
結果は14位でした。
ただ、総合的な時間では順位を守ることができたので、マイヨジョ―ヌを死守することができました。
一人でマイヨクリストファー・フルーム選手、あっぱれです!!
ただ、チームスカイ・クリストファー・フルームの山岳アシスト・ヴァシル・キリエンカ選手が制限時間以内にゴールできなかったために失格となってしまいました。今後、不利になることが予想されます。

この次のレース、第10ステージにはどんな試練が選手に待ちうけているのか!?
マイヨジョ―ヌに輝くのはチームスカイ・クリストファー・フルーム選手なのか、はたまた他の選手なのか今後も目を離せません!!!


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