あべ・ピエール氏に学ぶ、豊かさとは


あべ・ピエールさん。
そうそう、阿部さんとこのピエール君ね。
なんてふざけた事は言えない立派な方、
ABBE  Pierre氏。
この方は
LYON出身の司祭で、
ホームレス(SDF)や、社会不適合社の救済のため、
EMMAUSという協会を設立しました。

初めは10代の頃、父の遺産を慈善事業に寄付、
その後自身が議員になり、その給与も寄付、
不要品リサイクルという方法で資金調達をし、1949年にEMMAUSを設立。
2007年に没するまで、生涯を慈善活動に費やしました。
今ではこの協会、世界中に広がっているそうな。

在仏時、一日中テレビが
”アベ・ピエール、アベ・ピエール”と、言っている日がありました。
誰、このよぼよぼのおじいちゃんは?と思って、よくよく聞いていたら、
EMMAUSの設立者とのこと。
”え~。このおじいちゃんがEMMAUS作ったの?
というか、EMMAUSってNGO団体の一つだったんだ・・。”
と、あまりに無知だった私。
それまで、私はEMMAUSはただのリサイクルショップだと思っていました。
まさか、私の支払ったお金が世のため人のために使われていたとは・・・。
このリサイクルショップ、
運営することによって、協会資金調達もでき、雇用もできます。

私は、PARIS,LYON,DIJON、と行きました。
PARISは街中、LYONは郊外にあり、バスで行き、DIJONは車で行きました。

中でも一番大きかったのがDIJONの”SOS FAMILLE EMMAUSU”です。
でかい!おっきな体育館くらいあります。
全国から不要品が集まるわけなのですが、何でも売っています。
到着するなり、外に
椅子が山積み、パイプが山積み、便座が山積み、浴槽がどかっと置いてある。
文字通り山になっておいてあるんです。
使用済みポストカード、使用済み写真のネガ、ねじ、キーボード、衣類、ランプ・・と挙げればきりがないのですが、本当に何でも売っているのです。
”これ、夏休みの子供の工作じゃん!”て物まで大量に売っています。
しかも綺麗に並べられて。
ここに来れば家一軒分の内装は揃えられます。
食器も家具も、古くてかわいいものがたくさんあります。
私の友人はコンロの点火する部分とガスホースのねじを探していました。



*写真がなくBRESTのEMMAUSUのものを拝借いたしました。
スミマセン・・・。

たくさんの人が熱心に各自の探し物をしています。
そう、フランス人て使えなくなったものをポイポイ捨てて、
新しい物を、新しい物を、と追わないのです。
壊れたら直し、壊れたら直しを続け、何でも大事に大事にずっと使うのです。
なんでも新しいものがかっこいい とは思っていないんじゃないかな。(私見)
ほら、フランスなんかで、
新築分譲マンションど~ん!なんて広告あまり見ないでしょう?
みんなエレベーターなしの古いアパルトマンの階段を
えっちらおっちら上っているでしょう?
私は、それで良いと思うんです。

日本はとても裕福な国で、いつもいつも最新モデルや流行のはなしばっかり。
それはそれで良いかもしれないけれど、
そういうのって買っても買ってもずっと満たされない、
なんだかさみしい上辺だけの豊かさって言うんじゃないのかな。

私はフランスに行って、
不便でも、裕福でなくても、
毎日を豊かに送るという事を少し学んだと思います。



http://www.emmaus-france.org/








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