ソースの香りに誘われて


ソースと言っても、ヴィネグレットソースや赤ワインソース、ベシャメルソースではなく、
今回は日本が誇るお好み焼きソースです。
以前、ブログでも取り上げましたが、
フランスで日本食なんて言うと、どこぞのアジア人がやっているえせジャポがまぁ、多い事。
一度、回転寿しに行ったら、小さい押し寿司マシンのような物で、
酢飯を”ギュ~~ッ!”と押してポコッとシャリを作り、ペラッとネタを載せる。
そして切なく乾いたネタの乗ったお寿司は、
ぎゅっとなりすぎて醤油を吸わない・・。
もちろん店員さんには日本語は通じず・・なんて衝撃的な経験をしましたが、
在仏が長いと、”美味しくないだろうな~”とわかっていても、
日本食屋さんに入ってしまうくらい、日本食ってものすごく恋しくなるのです。

そんな時お好み焼きソースの香りが漂ってきたらみなさんどうですかね。
しかも花鰹の香り付きで。
そりゃもちろん食べたくなりますよね、お好み焼き。

今回ご紹介するのは、LYONにある私の大好きなお店”gomann-etsu”さんです。
フランスで他にお好み焼き専門店ってあるんですかね?
こちらを経営するのは素敵な日本人のご夫婦。
フランスでの多くのえせ日本食屋では
扇子や変な置物、
掛け軸なんかがハチャメチャに飾ってあるのですが(日本を馬鹿にし過ぎ・・)
gomann-etsuさんは”素敵なカフェ”の様な石造りの内装。
”ザ・日本”的な余計な装飾は無く、
日本の雑誌や写真集がさりげなく置いてあります。
店内に流れる音楽も琴や三味線ではなく、
食事の邪魔にならないような素敵な音楽。(店主選)

こちらでは各テーブル鉄板でお好み焼きを焼くのではなく(そんな事フランス人には任せられません)、
ご主人が焼いてお皿で出してくれるのです。



前菜は小鉢から、お好み焼き、そして手作りデザート、とコースを頼むと、
”ああ、やっぱり日本食っていいな”と、ジンと来ます。
もちろんデザートはフランス人を悩殺、和スイーツです。
抹茶味のスイーツに舌鼓をうち、それこそ”ご満悦”な顔になります。




こちらでは日本のお好み屋さんのようにワイワイガヤガヤというより、
”しゃなりと気取って”お好み焼きを食してみましょう。
と、いうのも、周りには”日本通”を決め込んでいるフランス人が、
”ビールはやっぱりアサヒね”
なんて言いながら、上手にお箸で、お好み焼きをつついているのです。
なので”すいませ~んっ”なんて手なんてあげちゃったら
ちょっと恥ずかしいかもしれません。

冬になると、
経営者の奥様お手製の手作りニット小物が店内で売り出されます。
一度ご好意でニット帽とアームウォーマーを頂いたのですが、
シンプルでおしゃれ、そして暖かいのです。
冬には極寒のLYONでは必需品でした。

フランス人がお好み焼きを食べると、みんな”c'est bon/セ・ボン”と大満足。
まずみんな、鰹節がお好み焼きの上で踊っているのにびっくりします。
”何?生き物?”なんて。
そしてお好み焼きソースの美味しさにもびっくりします。
一度”このソースは何?”と、聞かれた事がありますが、
う~ん、何?と聞かれても、困っちゃうな・・・。
"C'est la sauce speciale qui s'appelle SO=SU/これは”ソース”って名前の特別なソースなんだよ"
と教えてあげました。(説得力なし)

みなさん、フランス人に日本の食文化を自慢したかったら、
ぜひこのgomann-etsuさんへ連れて行ってあげましょう。
みんなお店を出る時はみんなご満悦な顔ですよ。


goman-etsu
11 Rue de la Lanterne
69001 Lyon 01, France
04 78 39 31 91









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