
ローヌ河を臨むGrand Hotel Dieu(内部、チャペルの隣にリヨン国際美食館)
ここは、12世紀から800年にも渡り、リヨンの市立病院(Hôtel Dieu オテルデュー)として機能していた施設です。病院閉鎖後、数年間の空白を経て大規模なリニューアルの工事が行われました。2018年春よりGrand Hôtel Dieu としてオフィス、商業施設や5つ星ホテルが次々にオープンし、既に賑わいを見せています。
そして、この秋に待望の美食館の誕生にたどり着きました。この建物はリヨンでも最も大きな建物の一つでローヌ河の西側に美しくどっしりと構えています。美食館は、建物の最も古い部分を活用させて完成となりました。歴史的な建物としても見る価値あり!です。
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伝統的なリヨン料理、クネルの一皿
リヨンは料理と食文化との関係をとても大切にする都市です。フランスの三ツ星シェフ、ポール・ボキューズもこの町で生まれ、豊かな環境の中でその才能を育まれました。ボキューズの名を冠した料理コンクールも行われています。肥沃な大地に育つ豊富な食材にも恵まれ、この街にガストロノミーの博物館ができるのはごく自然なことでした。
加えて、Hôtel Dieu が病人の治癒や世話に欠かせないと考えていた食事の分野で、この街をまた支えていくこと、きっと病院に携わった人、病院で産声をあげ大きくなった地元の人々もこの病院の再生を喜んでいるはずです!

さて、気になる美食館の中身です。内部は3900㎡(約1000㎡の4階構造)という広大なスペース。この施設では、健康、幸福、ライフスタイルなどと関連させながら、「健康的な食事をいかに楽しみながら食べるか?」食文化の視点を提案しています。そして、ビジターが体験しながら楽しめる工夫もされています。
ガストロノミーに関わる常設展示、企画展も1年に2回ほど開催される予定です。プロの料理人がワークショップを行う場所や共有ワーキングスペースがあり、子供たちの食育スペースでは、ガストロノミーを遊ぶように体験し学びにも繋げていきます。テイスティング用のオープンキッチンも備えられています!

お迎えするドームの天井、Vincent Breedの作品「13のスプーン」オテルデューの患者の14分の13という生存率を表現。Grand Hotel Dieu 公式HPより写真抜粋
洗練された食事の提案だけでなく、「健康や幸福、ライフスタイル」を追求しているという姿勢に主催しているリヨンの人々が常に大切にしていることを感じますね。この美食館の運営にはリヨン市だけでなく11の企業の文化活動支援、ミシュランの三つ星シェフなど多くの人々の支援によって支えられています。
そして、この施設では、生産者、料理人、食べる人が集い、双方向で情報を共有できます。…きっと、世界中の美味しいもの好きが集まってリヨンはますます活気付いていくのでしょうね。

食事の楽しみは日常でも欠かせませんが、特に旅先では食の満足度が高いことが楽しい思い出に繋がります。リヨンの街とそこに住まう人々、新しくオープンした美食館は、きっと旅の思い出を豊かに彩ってくれます!
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